クレヨンしんちゃんラクガキングダムの感想!原作元ネタの最高な映画

劇場版「クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」を映画館を観てきたので、さっそく感想を書きます。

元ネタは臼井儀人さんの原作というだけありギャグ成分多めで、かといって泣ける演出もしっかりある抜け目のない作品だったと思います。

ぶりぶりざえもんやニセななこやブリーフ含め、声優さんの演技も素晴らしかったなぁ・・・。

 

※物語の核心に触れる、ネタバレ要素が書かれています。

ネタバレNGな方はここでそっ閉じ頂けますと幸いです><

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クレヨンしんちゃんラクガキングダムの感想

メインキャストの声の演技が抜群!

実は映画やテレビを含め、クレヨンしんちゃんを観たのはかなり久しぶりで、

その時はまだ、しんちゃんの声優さんは矢島晶子さんでした。ひろしの声は藤原啓治さんで、園長先生は納谷六朗さんが演じていた時代です。(他にも吉永先生やななこおねいさんも声変わっていたような・・・)

小林由美子さん、森川智之さん、森田順平さんとキャストが変わって以降のクレしん初体験を、少し不安に感じていたのですが、全くの取り越し苦労でした。

 

小林由美子さんは交代の際もあまり炎上しなかったということですが、声を聞いて即納得。しっかりと作品に溶け込んでいます。

森川智之さんのひろしと森田順平さんの園長先生も、先代の素晴らしいキャストのスピリットを不足なく受け継がれている印象でした。

クレヨンしんちゃんらしくギャグ成分多め

ということで、何の違和感もなく久しぶりに体験したクレしん映画。控えめに言って最高でした。

ギャグシーンはとことん笑わせ、シリアスなシーンではほろりと泣かせる。この塩梅が絶妙です。

ただし、クレしん映画の中でも不朽の名作と呼ばれるオトナ帝国の逆襲や戦国大合戦と比べると、ラクガキングダムはギャグ成分多めです。

オトナ帝国や戦国は、大人向けに作られていると感じる箇所も多数見られますが、今作の場合はストーリーもシンプルで分かりやすく、子供が観ても最後まで飽きずに楽しめる印象。

やっちゃえば?など泣ける部分はとことん泣ける抜け目のない映画!

かといって、子供向けに寄せた作品というわけではありません。物語終盤のシリアスなシーンではむしろ、大人の方こそ考えさせられる内容に仕上がっていました。

精神的にもヘヴィーな展開があります。

とくに、物語のクライマックスに繋がる「やっちゃえば?」前後のシーンでは考えさせられると同時に涙腺が破壊されました。

ただ、そんなシリアス展開の中でも不意打ちとしてギャグが挟み込まれたり、いい意味で期待を裏切られます。このテンポ感のある作劇には、思わず息を飲みます。

京極尚彦監督とクレしんブランドとの相性は抜群ですね。参りました!

救いのヒーローぶりぶりざえもんが「爆発!温泉わくわく大決戦」以来の登場&大活躍だったり、例年のクレしん映画以上に登場キャラクターが多かったりと、ファンであればこそ歓喜でしたね。

ラクガキングダムの元ネタは臼井儀人さんの原作

先述したように、「クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」はギャグ成分多めに仕上げられた作品です。

何しろ、春日部の危機を救うべく立ち上がったパーティーからして、しんのすけと彼の落書きで実体化したぶりぶりざえもん、ニセななこおねいさん、ブリーフの4人・・・。

さるかに合戦に引けを取らないレベルの「この組み合わせのパーティーで何をどうするの?」感です笑

(ぶりぶりざえもんも、ニセななこも、そして二日目のブリーフも、それぞれめちゃくちゃ良い活躍をするし泣けるんですけどね)。

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もしかしたら、今回のクレしん映画がギャグ多めなのは、この作品の元ネタが臼井儀人さんの原作であることに由来するのかもしれません。

 

クレヨンしんちゃん単行本の23巻に収録されている「ミラクル・マーカーしんのすけ」という6ページの短編ストーリーが、ラクガキングダムの原案です。

「ミラクル・マーカーしんのすけ」では、しんのすけがさすらいの画家からミラクルマーカーを受け取り、描いた絵を実体化させていきます。

映画に登場したぶりぶりざえもんやチョコビ、ニセななこおねいさんも登場します。

 

そして最後はホロリと涙させるような展開で〆る。

たった6ページの物語ですが、臼井儀人節が散りばめられていました。

 

その元ネタの印象もあってか、ラクガキングダムは「クレヨンしんちゃんらしいクレヨンしんちゃんだなぁー」という印象を受けました。

ラクガキングダムのスマホやタブレットなどのアイテム使いが最高

また、今回のラクガキングダムで個人的に素晴らしいと思ったのが、作中に登場するスマホやタブレットという現代的なアイテムの存在です。

アニメ開始当初はスマホなど時代で、それどころか携帯電話さえありませんでした。

 

それが時が流れ、今やスマホの時代。

今回の劇場版の悪役にあたるラクガキングダムの防衛大臣が、子どもたちを拘束し強引に落書きをさせるウキウキカキカキ作戦を決行したのは、

「現代の子供たちの遊びといえば家でゲームばかりで、落書きをあまりしてくれなくなった。そのせいで城に(子供の落書きによる)エネルギーが供給されない・・・」という切実な悩みが動機でした。

 

このくだりが冒頭で流れたときに、「ん?オトナ帝国の逆襲では、現在と未来への肯定がメインテーマだったはずなのに、今度はテクノロジーの進化を否定するのか?」なんて首をかしげてしまったのですが、

現代のテクノロジーの象徴であるスマホやタブレットで、調べ物をしたり、途中で離れ離れになったしんちゃんの居場所を突き止めたり、SNSで子どもたちの落書きを共有したり、かなり良い仕事をしてくれています。

子どもたちの本質は変わっていなくて、今も昔も落書きが大好きで、今の技術の進歩もしっかりと肯定するという、誰も傷つかない展開がさすが!と思いましたね。

まとめ


久しぶりに観たクレヨンしんちゃんの映画は、額面通り「大人も子供も楽しめる」王道のギャグアニメーション作品として仕上がっており、その完成度の高さには驚きっぱなしでした。

また、今の幼稚園児くらいの子が20年後にこの映画を観たら、また違う視点から物語を味わえるんだろうなーという、クレしん劇場版特有の深みもしっかりと堪能できる作品です。

ぜひ、「やっちゃえば?」の大合唱の名シーンを、できれば映画館で観てみてください!

 

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