「スピッツは演奏力が非常に高いバンド」という話題が、ファンの間やネットなどで取り上げられる機会が多いですが、実際のところはどうなのでしょうか?
彼らの『演奏技術』についてちょっくら語ってみることにします。
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洋楽しか聴かない人も”スピッツなら聴く”理由
(画像引用元:http://shyglance.web.fc2.com/)
スピッツといえば『チェリー』や『ロビンソン』のようなポップな名曲を多く所有するバンドですし、歌も歌詞も超爽やかなJ-POPバンドと認識しているお茶の間の方も多いようです。典型的なカラオケで歌うとウケそうなバンドというか。
しかし一方で、ふだん「洋楽しか聴かない」とかのたまう音楽通な方々が、「・・・あ、いや邦楽でもスピッツは好きだ」なんて踵を返すほど、こだわりあるロックファンから一定以上の高い評価を得ているのも事実。
そして、スピッツを好んで聴く音楽通は異口同音に、スピッツを好きな理由についてこう話します。「だって、スピッツって演奏めちゃくちゃ上手いんだもん」と。
スピッツメンバーが愛してやまない音楽、HR/HM
草野さんの甘く透き通るミックスボイスは、スピッツをスピッツたらしめる最大の強みですが、以前雑誌のインタビューで彼はこう語ったことがあります。
「超ハードな曲もやりたいけど、俺の声にはラードが足りない」
ファンの方には常識のことですが、草野さんは超ロックな曲がやりたいほど、実はヘヴィーメタルやハードロックが好きです。というか、草野さんだけじゃなく、スピッツのメンバー全員が生粋のメタラー。
・・・そういえば、以前ミュージックステーション(Mステ)でスピッツとBABYMETALが共演した際、スピッツの草野さんが「 ド・キ・ド・キ モーニングって曲がイイです・・・」とややはにかみながら語っていたのは印象的でした。
そして出演者用の席が近いベビメタメンバーと、体が触れ合わないように体をのけぞらせる草野さんの気遣いに「カワイイ!」って声が続出していましたね。笑
スピッツの『演奏技術』の高さは異常
そんなわけでメンバー全員が生粋のメタル好きでもあるスピッツですが、やはりその特徴は楽曲内に顕著に反映されています。
・ギャリギャリな高音で、テクニカルかつスピーディーなソロを弾くギタリスト。
・本当に人間なのか?と錯覚するほど、硬質でタイトなリズムを刻むドラマー。
・ルート弾きを基調としつつ、ここぞというときに”イナタイ”フレーズを連発するベーシスト。
どう考えてもメタルバンドのそれです本当にありがとうございました。
タイトで硬質で技巧派
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多くのメタルバンドやハードロックバンドの特徴ですが、彼らって『音程やリズムが超正確』なんですよね。他ジャンルのロックによく見られるルーズさが殆どありません。
どこまでもタイト。そしてギターのチョーキングなど音程がピーンと正確です。音程は全てのパートが硬質なことが多く、何よりも手数が多い。
手数が多くて、リズムも音程も正確なら、楽典的に『演奏が上手い』とされる条件を充分に満たすことになります。そして、スピッツもご他聞に漏れずそういった特長を持っているので、彼らが演奏が上手いのは確定ですね。
・・・というか、
楽典的でもそうでなくても、スピッツは間違いなく演奏上手いです。メタラー特有の高い演奏技術を持ちながら、通常メタルバンドではなかなか出しづらい『横のグルーヴ感』(グワングワンと揺さぶられて心地よいノリ)まで兼ね添えているんですから。
横のグルーヴ感って、言葉では説明しづらいし楽譜に記載できるものではありませんが、演奏が上手いバンドにしか体現できないんですよね・・・。
スピッツの音作りへのこだわりは異常
前述したように、メタルやハードロックを嗜好するバンドマンの特徴として、
「アンタ指何本生えてるの!?」と驚愕するようなギタリストのソロや、「アンタなんでそれやって手足折れないの!?」と驚愕するようなドラマーのブラストビートなど、高い演奏技術を有している場合が極端に多いことがあります。
多くの音楽通がスピッツを愛して止まないのは、ハードロックやメタルなどの造詣に長けた、彼らの演奏スキルが超高いから!というのが大きな要因の一つだというのは先に書いたとおりです。
・・・が!!!
スピッツの本当に恐ろしいところって、それだけじゃないんですね。
メタラー(ひいてはスピッツ)が本当に凄いのは、その『カンペキ過ぎる音色』へのこだわりです。
『メタラー』と『にわか』の見分け方
何ならスタジオに籠っている時間の大半を、(場合によっては実際に演奏して音を合わせている時間以上に)アンプやエフェクターのツマミをいじくることに費やす。それがメタラーって人種なのです。
ちょっと適当に『歪みっぽい音』とか『クリーンっぽい音』とかで妥協しません。音色について妥協しないのは、そりゃあミュージシャンとしては当たり前のことですが、いくら何でもメタラーは、音色への『こだわり』が異常です・・・。
(もしあなたの周りに速弾がめちゃくちゃ得意だけど、アンプのつまみいじりは適当に済ますってギタリストがいたら、そいつはメタラーじゃありません。にわかだと思って結構)
『8823』と『夢追い虫』
たとえばスピッツのライブの定番曲でもある『8823』。この曲のイントロだけでも聴いてみて下さい。
骨太なサウンドに定評のあるレスポールギターで、ここまで歯切れの良いカッティングを刻むことのできるギタリストって多くありません。だってレスポールってもともと、歯切れの良いカッティングよりかは、ズンズンと重たいリフを刻むのに適したギターですからね。
このギターの音色なんて、ギターとアンプとエフェクターのつまみを散々いじくり倒して、その特徴を押さえてなきゃ作れないですよ。ええ。
続いて、「スピッツが真のロックバンドとして覚醒した」とファンの間で定評のある名曲、『夢追い虫』。
ああ・・・。なにこの小気味の良いベースラインは。
もちろんベーシストの田村さんのテクニックに裏打ちされたベースラインの素晴らしさなのは言うまでもありません。
でも、指使いだけじゃこんな艶やかな音色は作れません。どう考えても。これまた何度も何度も長い時間、愛器のツマミとにらめっこしている光景が目に浮かぶようです。
このカンペキな音質こそ、高い演奏力の他に、スピッツが(ある意味)狂ってると思える特徴の一つだと言えます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
高い演奏技術と、徹底的な音質への『こだわり』という観点からお話しをさせて頂きました。結論として、『スピッツってすごい(小並感)』といったところです。
どこまでもストイックに自らの音楽を追求し続けるスピッツ。まだまだ彼らの行動から目が離せそうにないですね。
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