aikoがデビューして間もない頃に発表され、その後も彼女の代表曲として知られている名曲「カブトムシ」。
素晴らしい曲なのですが、「なぜ”カブトムシ”なんてタイトルなんだろう?この曲の歌詞ってどんな意味なんだろう?」
そんなふうに疑問に思ったことはありませんか??
aiko自身は、歌詞に対する解釈は聴き手に委ねるといったスタンスをとっているので、その意味についての公表はないですが、
イチaikoファンとして、筆者なりの解釈を書いてみたいと思います。
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カブトムシの歌詞は片思いの歌?
(画像引用元:https://realsound.jp/)
aikoの歌詞。その最大の特徴は、彼女が自らを「恋愛ジャンキー」と語ることが象徴するように
色とりどりに様々なシチュエーションから綴られる恋愛観でしょう。
男女間のラブソングというジャンルを一貫して歌い続け、
しかも同じような内容の歌詞が1つもないというところが、aikoの最大の強みであり、特徴なのだと思います。
恋の真っ最中な曲もあれば、片思いの曲もありますし、失恋の曲もあります。多種多様です。
それでは、真珠のバラードである「カブトムシ」は、どういうシチュエーションを意味する曲なのでしょうか?
カブトムシの歌詞の解釈は「片思い説」と「恋人同士説」の2つがあるようですが、
私は、恋人同士というシチュエーションで解釈しています。正確には”元”恋人同士といった感じです。
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なぜ「カブトムシの歌詞は”失恋の歌”」と解釈したのか?
カブトムシのAメロに登場する歌詞「どうした 早く言ってしまえ」
この箇所をどう解釈するか?で、カブトムシを、片思いの曲か?失恋の歌か?が決定づけられる気がします。
私は、「好きな相手に告白する」ではなく「好き”だった”相手に別れを告げる」前の主人公の心持ちを表現していると思いました。
何かの事情で主人公は恋人に別れを切りださなければならない。でも勇気が足りなくてなかなか切り出せない。
カブトムシは失恋の歌であって、もっと言うと主人公の女の子側から相手に別れを告げた歌詞なんじゃないか?と。
そう考える方が、後に続く「あなたが死んでしまって〜」、「生涯忘れることはないでしょう」、「あなたの耳に寄せたおでこ」
・・・などの歌詞やフレーズも、辻褄が合ってくるんですね。
片思いの人に対して「2人が年老いてこの世を去るまでの長い年月を、この先はお互いの知らない場所で過ごすことになる」と憂うでしょうか?
ってか、「早く告りたいけど、あたしは弱い」なんて悩んでる女の子が、意中の相手のおでこに耳を寄せる、、めっちゃ度胸あるやん!笑
「スピード落としたメリーゴーランド」という歌詞も、「夢のような恋人同士の甘い時間が終わろうとしている」と解釈した方が自然です。
ということで、私はカブトムシは「失恋の歌」と思っています。
「あなたが死んでしまって」の意味とは?
また、「あなたが死んでしまって」という一節が、ミスリードを起こすことが多いみたいですが、
「あなた」は死んでいないと思います。「今は亡きあなたを生涯忘れる事はないでしょう」という歌ではないです。きっと。
このフレーズについては前述しましたが、
これから離ればなれになって、長い残りの人生を別々に過ごしていくこと。その人生がお互いの干渉し得ない所で進んでいくこと。
そんな現実を受け入れたくない主人公の苦悩が、そういう言葉を選ばさせているのではないか?と。
そうすれば後に続く「生涯忘れることはないでしょう」という一節も深みが増しますね。
カブトムシの歌詞から垣間見えるaikoの天才性
「悩んでる体が熱くて 指先は凍えるほど冷たい」ということは、
カブトムシで歌われる物語中の季節は冬だと解釈するのが妥当でしょう。
鼻先をくすぐる春から始まり、気がつけば真横を通る冬(=今)までの一年間、2人はずっと仲睦まじく過ごして来たのでしょう。
春から冬までの一年間を、今まで夢中になって2人で過ごして来た。沢山の思い出を作って来た。
けれども、そんな2人にも、離ればなれにならなければいけない時がきた。
別れの言葉を切り出そうとするにも、「今が何よりも大切」なせいで、
その後の2人の人生を想うと居たたまれない気持ちに締め付けられてしまう。
だけど最後には、主人公は別れを告げてー
スピードを落としたメリーゴーランドのように、甘く幸せと思えていた、夢みたいな時間は終わりを迎えます。
・・・ただの”文字”で、情景をここまで思い浮かべさせられるなんて。
aikoはその独特なコード進行や弾き語りでも充分に聴かせるメロディラインなどから、音楽家として天才なのは承知してましたが、
作詞家としても、圧倒的に天才ですね。「文字を使って絵を描く天才」なんだと思いました。
なぜ「カブトムシ」なの?タイトルの理由は?
aikoいわく、この名バラードを「カブトムシ」という題名にしたきっかけは、
「人間以外の生き物を想像したらたまたまカブトムシが浮かんだ」とのことです。
ぶっちゃけそこまで深い意味はなかったらしい・・・笑
・・・けれども、この曲名、言い得て妙です。
「カブトムシのように、固い殻に覆われていて頑丈に見せていても、その中身は柔らかく、もろく、弱い」
「恋」という甘い匂いに誘われた、どうしようもなく弱い私ー
そんな女性の儚げな気持ちがさりげなく表現されて、、、いるような気がします。。
いや、本当に「人間以外の生き物を想像したらたまたまカブトムシが浮かんだ」だけだったら、それはそれですごいですけど。笑
まとめ
いかがだったでしょうか?
歌詞ひとつ切り抜いて考えてみるだけで、
aikoが何故いつまでも「恋愛ジャンキー」としてたくさんのリスナーから支持され続けることができるのか?がよく分かりますね。
1つ難点を上げるなら、「カラオケでカブトムシを歌うのマジ難しい問題」です。笑
これを、カバーとかでしっかりと歌い上げる人を見ると、「プロの歌手ってすごいなー!」と思います。
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