バンプオブチキンの宝石になった日の歌詞の解釈や意味について考察

BUMP OF CHICKENの新アルバム『Butterflies(バタフライズ)』に収録された楽曲の中でもひときわ異彩を放っている『宝石になった日』を聴いた感想や、歌詞の解釈などについて書いていきます。

 

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『Butterflies』という作品の全体像

以前、こちらの記事にも書いたように、『Butterflies(バタフライズ)』というアルバムは前作『RAY』と比較すると、ごくごく内省的なある意味、藤原基央らしい自己内対話式の楽曲が多く見られる印象です。

『RAY』では自分の外側から音のシャワーが自分に向かって降り注いでくるような印象を受けたのに対し、『Butterflies』では内側から外側へ向けて沸々と音のシャワーが放出されていくようなイメージ。

「自分の中に居るもう一人の自分と向き合う」といったバンプオブチキン特有の哲学や世界観が踏襲されているという意味では『ユグドラシル』あたりの彼らにも通ずるものがあり、今作では原点回帰的な印象を強く受けました。(ただの自己内対話に停まらず、積極的に自分以外との関係性を求めているところなど、藤くんの成長を窺い知ることができますが)

 

『宝石になった日』がひときわ異彩を放つ理由

そんな中、今作に収録された楽曲の中でもとりわけ人気のある曲、『宝石になった日』は、『Butterflies』内で存在が際立っています。

バンプ(=藤くん)の歌詞の最大の特徴は前述したとおり、『大我慢大会』に代表されるような、自分の内面に潜り込み、そこから活路を見出していくといった自己内対話です。

ある意味抽象的な言葉が多く連ねられていますし、聴き手もある程度解釈を自由にすることができます。本来のバンプの歌詞ならば。

しかし、『宝石になった日』の歌詞内容はひたすら具体的です。聴き手の解釈が介入する余地はほぼありません。藤くんの心の叫び、葛藤がストレートに字面とおりに心に染み入ってきます。

 

『宝石になった日』の歌詞の意味って??

具体的でストレートな表現って、J-POPの歌詞ではよく見られますが、バンプの歌詞でこういうド直球な言葉を見ることってあまりありませんよね?

 

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増えていく 君の知らない世界 増えていく 君を知らない世界
君の知っている僕は 会いたいよ

ひとりじゃないとか 思えない日もある
やっぱり大きな 寂しさがあるから
応えがなくても 名前を呼ぶよ 空気を撫でたよ 君の形に

という一節からも分かるように、そしてその前後の歌詞からも十分察することができますが、『宝石になった日』は、大切な人との死別を唄った歌と解釈するのが一番しっくりきますし恐らくそうなのでしょう。

 

『宝石になった日』を書かずにはいられなかった。

むしろこの曲に解釈を加えようとすること自体がおこがましいような気さえします。藤くんの頭の中をそのまま言葉に興したような、ふだんのバンプらしからぬストレートな表現。

”君”が家族を差すのか友人を差すのか、彼女を差すのかは不明ですが、藤くんは『宝石になった日』という曲を書かずにはいられなかったのだと思います。

 

あの温もりが 何度も聴いた声が 君がいた事が 宝石になった日

他の曲とは異彩を放っているように感じるとはいえ、『失ってしまった”君”との思い出』を『宝石』と呼ぶあたり、何とも藤くんらしいです。

 

4つ打ちのアップテンポが新鮮

サウンドアプローチも、最近よく見られた細かくテクニカルなリズムパターンが登場することなく、変拍子もなく、ただただストレートな4つ打ちなのが非常に新鮮。バンプのアップテンポな曲で4つ打ちで押し通すものって今まで無かったですし。

藤くんの声やバンプのバンドサウンドと、打ち込み音って相性良いですよね。今作はとくにピコピコ音ともうまく調和して馴染んでいるような気がします。

 

 

・・・それにしても。

歌詞といい、サウンドアプローチといい、引き出しが無尽蔵ですね。BUMP OF CHICKENって、本当にいつまでも飽きさせないバンドです・・・。

 

 

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